お互いに既婚者である者同士の不倫を、俗にダブル不倫(W不倫)と言うようです。
具体的には、以下のABが不倫関係にあるような場合を指します。
A(男)−Aの妻
B(女)−Bの夫
不倫をされた側の配偶者は、相手方に不倫慰謝料を請求することができますが、ダブル不倫の場合は双方の配偶者が不倫をされた側になるわけですから、場合によってはその両者が不倫の相手方に対して慰謝料を請求することになる可能性があります。
上の図で言えば「Aの妻」は「B」に対して不倫慰謝料請求ができます。
しかし、「Bの夫」も「A」に対して不倫慰謝料請求することができるのです。
もし双方から不倫慰謝料を請求し合うことになったとしても、不倫関係成立の経緯、不倫関係の継続における役割の相違など、個別の事情で慰謝料の請求額は変わってきますから、ABそれぞれが負う慰謝料支払債務は、全く同じ額になるわけではありません。
また情況だけ見ると双方の夫婦が慰謝料を請求し合っている関係のようにも見えますが、請求主体はあくまで個人であって夫婦ではありませんから、これは「Aの妻からBに対する請求」と「Bの夫からAに対する請求」という別個の請求となります。
そこで、「Aの妻によるBへの慰謝料請求」において、Bの夫がAの妻に向かって「あんたの夫も悪いじゃないか」という主張をされても通りませんし、債権の対立がありませんから相殺することもできません。
実際には、請求された側が自分の配偶者には相談せず示談に応じて解決することも少なくないため、必ずこのような双方請求の状態になるわけではありませんが、その可能性があるという点については知っておいて頂きたいと思います。
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